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住宅ローン変動金利の「5年ルール」「125%ルール」とは? (2022年07月08日)

現在、住宅ローンを変動金利で借りています。金利変動リスクがあるのはわかりますが、変動金利の特徴をきちんと把握していません。押さえておくべきポイントを教えてください(Kさん 会社員、30歳)
住宅ローンの変動金利には「5年ルール」「125%ルール」などの特徴があります。その内容をしっかり理解したうえで利用しましょう。

住宅ローンの変動金利で押さえておくべき5つの特徴

変動金利は他の金利タイプに比べ、金利が低いことが魅力です。しかし、適用される金利は将来的に変動する可能性があり、返済額も変わる可能性があります。2022年7月現在、欧米はインフレ対策として利上げを行っていますが、日本は超低金利を維持しています。しかし、今後どこかで利上げが行われる可能性もあり、その影響を受ける変動金利を利用している人は、正しく知っておく必要があります。

変動金利を正しく理解するために押さえておくべき5つの特徴を整理しておきます。

1. 適用金利は半年ごとに見直される

変動金利は文字どおり金利が変動するタイプです。借りたあと、適用金利は半年ごとに見直されます。金融機関によって異なる可能性はありますが、多くは4月と10月に見直しが行われ、翌々月から適用されます。

現在は、日銀の金融政策により、変動金利に影響する「無担保コールレート(オーバーナイト物)」がコントロールされていることから、変動金利に大きな動きはありません。しかし、今後、金融政策の方針が変わって利上げに踏み切ることがあれば、適用金利が上昇する可能性があります。

2. 適用金利が変わっても毎月返済額は5年間固定(5年ルール)

元利均等方式の変動金利で借りた場合、半年ごとの金利見直しにより適用金利が上がったとしても、5年間は毎月の返済額は変わりません。これは、金利が上がっても家計への影響が抑えられるようにと設けられた仕組みで、「5年ルール」と呼ばれています。

3. 5年ルールにより返済額は変わらなくても、元利割合は見直されている

5年ルールにより返済額は5年間変わらないものの、適用金利が変われば、返済額に占める元金と利息の割合は変わります(返済は利息が優先されます)。例えば、毎月の返済額の合計が10万円で、元金返済額9万5000円、利息が5000円だったとします。適用金利が上がって支払利息が増えると、月10万円の返済額は変わらなくても、内訳が「元金9万円+利息1万円」などと変わる可能性があります。返済額の内訳について通知などはないため、借りている本人は気づいていないこともあります。

4. 5年経過後の返済額上限は従前の125%まで(125%ルール)

前述のとおり、元利均等方式の変動金利の住宅ローンは5年ルールにより、たとえ金利が上昇しても5年間の返済額は変わらず、6年目にその時点の適用金利によって返済額が見直されます。このとき、適用金利がどれだけ高くなっていても、返済額の上限は125%までに抑えられます。この特徴は「125%ルール」と言われています。従前の毎月返済額が10万円だった場合、6年目の見直しの際の上限は月12万5000円。適用金利が大きく上がった場合でも家計への影響を抑えるための仕組みです。

5. 急激な金利上昇が続くと未払利息が発生する可能性も

変動金利で急激な金利上昇が続いた場合、5年ルールや125%ルールが裏目に出て、返済額に占める元金と利息の割合が逆転して返済額がほぼ利息、となってしまうこともあり得ます。悪くすると、返済額がすべて利息になってしまったり、さらには、返済額では返しきれない利息が発生すると、「未払利息」として払いきれない利息分、翌月以降の返済に繰り延べされます。多くの場合、最終回の返済日に、未払利息分は残りの元金とともに全額を一括で返済しなくてはなりません。

「5年ルール」や「125%ルール」のない変動金利もある

変動金利を活用するには、こうしたリスクをしっかり理解したうえで利用することが大事です。

ただし、元金均等方式の変動金利商品や、元利均等方式でも一部金融機関では、「5年ルール」や「125%ルール」がなく、適用金利が上がればその時点で返済額がアップするタイプの変動金利を扱っているところもあります。この場合、適用金利が変わるタイミングで返済額も変わります。変動金利であってもどちらのタイプかを理解しておきましょう。

変動金利は金利をウォッチしていないと、その特徴から金利の上昇に気づきにくく、気づいた時には固定金利への借り換えができないほど固定金利が上昇している可能性もあります。変動金利を利用する人は、その特性やリスクもしっかり理解した上で、金利が上がったらどう行動すのかの戦略も持ったうえで利用してほしいと願います。

参考:変動金利と固定金利
変動金利 固定金利
一般的な金利の決まり方
短期プライムレートに連動
新発10年国債の金利(長期金利)に連動
金利が上昇する要因
市場に出回る資金量で決まる。日銀が金融調節によってコントロール。
・インフレ予想
・景気上昇予想
・将来への不確実性(リスクプレミアム)

筆者作成

【参考リンク】

担当:豊田 眞弓 (執筆:2022年07月05日)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。