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マンションの修繕積立金とは?住宅ローン完済後も続く支出を確認しよう (2022年03月25日)

新築マンションの購入を検討しています。住宅ローンの返済シミュレーションをして、返済は問題ないと思いますが、ローン以外に注意しておくことがあれば教えてください。(埼玉県・Tさん)
マンション購入後は、住宅ローンの返済以外に毎月、管理費・修繕積立金の支払いがあります。その負担も考慮した資金計画、返済計画とすることが大切です。

購入時にかかるお金、所有している間にかかるお金がある

マンション購入時は、とかく住宅ローンをいくらまで借りられるのか、毎月の返済額はいくらになるのか、ということに目が行きがちです。住宅ローンの返済が無理なくできそうだからといって、購入を決めるのは早計です。

分譲マンションを購入した場合、住宅ローンの返済以外に、管理費・修繕積立金の支払いがあります。これは住宅ローンの返済が終了しても、所有している間はずっと払い続けなければなりません。また、購入時には、「管理準備金」、「修繕積立基金(一時金)」を自己資金で支払う必要があります。

購入時にかかるお金
  • 管理準備金
    新築マンションの場合、管理費が十分に貯まっていないため、初期の管理に必要なコストを管理準備金として購入時に支払う。一般的に数万円程度。
  • 修繕積立基金(一時金)
    購入し引き渡しまでに支払うもので、修繕積立金がある程度貯まるまで、必要な修繕のために使われる。数十万円程度。物件によって金額に幅がある。
購入後ずっとかかるお金
  • 管理費
    マンションの共有部分の維持・保守・管理などに使われる。電球の取り替えなどの消耗品をはじめ、日常的なマンション管理全般の費用。管理人や清掃人の人件費も管理費から支払われる。
  • 修繕積立金
    マンションの修繕計画に基づき、5年、10年、30年に一度など大規模な修繕工事に充てられる。外壁塗装や給排水管更正工事など、共有部分の修繕に備えるもの。

管理費、修繕積立金は値上がりする可能性もある

最近販売された東京都内5,200万円・3LDKの新築マンションを例にとると、管理準備金1万4,000円、修繕積立基金(一時金)63万円、管理費1万4,000円、修繕積立金7,100円、となっています。このうち、毎月支払うのは、管理費と修繕積立金の2万1,100円です。つまり、住宅ローンの返済のほかに、毎月2万~3万円程度は維持管理費用として必要になるということです。

平成30年度「マンション総合調査」(国土交通省)によると、管理費の全国平均は1万862円、修繕積立金は同じく1万1,243円でした。

管理費については、国交省が金額設定のガイドラインをだしており、管理会社が独断で決めるものではありません。しかし、マンションの規模、総戸数、階数、コンシェルジュサービス、トレーニングルームなどの共有施設の有無など、さまざまな条件によって管理費は異なってきます。管理費は安ければいいというものではありません。マンションの資産価値を維持していくためには、管理が重要といっても過言ではありません。

ただし、自分にとって必要ではないサービス、共有施設がある場合、その分の管理コストを支払っているということになります。管理費の使途について、しっかり確認し、納得のいくマンション選びをすることが重要です。

修繕積立金については、30年程度の長期修繕計画が立てられ、計画に基づいた工事費用から算出されます。しかし、マンション販売をしやすくするため、入居当初は安く設定される傾向にあります。はじめから「段階増額積立方式」を採用し、5年ごとなど数年ごとに増額することを明記している物件も多くあります。

最近の傾向として、大規模修繕工事をする際、工事価格や人件費の上昇によって当初の修繕積立金では不足するケースが増えてきています。また、一度の大規模修繕工事で修繕積立金を使い果たしてしまうケースもあります。

不足する場合は、工事を縮小したり、所有者が一時金を出すことになります。予算を使い果たしてしまった場合は、修繕積立金を大幅に増額し、次の大規模修繕に備えなければなりません。

管理費も修繕積立金も、購入時のままではなく、途中で値上がりする可能性がある、ということを覚えておくようにしましょう。

毎月返済額+2万~3万円で資金計画を立てること

これまで説明してきたように、管理費・修繕積立金は住宅ローンを完済しても所有している間はずっとかかってくるものです。マンションによって金額は異なり、購入しようとする住戸によっても差があります。

途中で増額になる可能性もありますが、少なくとも、当初の資金計画では管理費・修繕積立金の分を差し引いた金額で毎月返済額を考えることが大切です。毎月15万円なら無理なく負担できるということであれば、ローン返済分は12万円に収めるようにすることが大事です。さらに、将来の増額に備えて、自分で積立をしておくなど、長期的な対応も考えておくようにしましょう。

購入を検討する際には、販売資料の物件概要を十分にチェックし、不明点は担当者に確認するなど、慎重に判断するようにしましょう。

【参考リンク】

担当:伊藤 加奈子 (執筆:2022年03月22日)

ファイナンシャル・プランナー。

大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。