<住宅購入のタイミングは生命保険見直しのチャンス?>住宅ローンについて考えよう

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住宅購入のタイミングは生命保険見直しのチャンス? (2021年10月22日)

住宅を購入する予定です。家を買うときは生命保険を見直すべきだと耳にしますが、それはなぜなのでしょう?(Mさん 会社員、36歳)
住宅を購入するために住宅ローンを組むと、通常、団体信用生命保険に加入します。その場合、生命保険の死亡保障を減額してもいいといわれています。ただし、住宅ローンの組み方や団信の保障範囲によっては、保険の見直しのポイントが異なりますので注意が必要です。

住宅ローンを借りるときに加入する団体信用生命保険とは?

住宅ローンを借りるには、ほとんどの金融機関・商品で団体信用生命保険(以下「団信」)への加入が要件になっています。通常、加入しなければいけないのは「一般団信」で、死亡・高度障害保障です。住宅ローン返済期間中に、契約者が亡くなったり高度障害状態になったりした時に保険金で残額が完済される仕組みで、万が一の時に家族に負担を残さずに済みます。保険料は通常、金利に含まれ、金融機関が負担します。最近は、この一般団信にがん保障や三大疾病保障、全疾病就業不能保障、自然災害補償など様々な特約が付いた団信も増え、無料のものから金利上乗せが必要なものまであります。

つまり、将来の住居費用のリスクを考えて生命保険に加入している場合には、住宅ローン返済期間においては団信によってそのリスクをカバーすることができるため保障が重複する可能性が生じます。

ただし、「フラット35」については、一般団信(機構団信)への加入が推奨されているものの、加入しない選択も可能です。また、夫婦2人で住宅ローンを組む際に、一方の加入者が死亡・高度障害状態になった場合に残債が全額弁済される「連生団信」や、所定の介護保障・3大疾病保障もカバーする団信もあります。

フラット35機構団信の概要
種類 内容 コスト
新機構団信 身体障害保障・死亡保障 金利に含まれる
*加入しない場合は-0.2%
デュエット(夫婦連生団信) 身体障害保障・死亡保障 金利+0.18%
新3大疾病付機構団信 介護保障・3大疾病保障・身体障害保障・死亡保障 金利+0.24%

住宅購入時にどう生命保険を見直す?

団信に加入することを機に生命保険を見直すことができますが、具体的にはどのようなケースが考えられるか、整理してみましょう。

住宅ローンを借りて無料の一般団信に加入するケース(フラット35以外)

住宅ローンを借りるのが1人の場合は、契約者が死亡・高度障害になったときには、住宅ローン残債がなくなるため、住宅ローン借入者の生命保険の死亡保障を下げることができます。夫婦でペアローンを借りる場合は、一方が亡くなった時に、自分の分の住宅ローンが残ります。それがリスクになる場合は、連生団信(有料)のある住宅ローンを利用するか、もしものときに自分の残債もなくせるように、住宅ローンと同額程度の保障を保険会社の収入保障保険などでカバーするのも一法です。

住宅ローンを組むと、病気・ケガで働けなくなった時のリスクは高まるため、就業不能保険や医療保険の増額や、特約付き団信を検討しましょう。中には、無料で就業不能保障付きやがんになった時に残債を半分にしてくれる商品もあるので、死亡以外の保障についても利用する団信の内容を確認したうえで保険の見直しをしましょう。

フラット35を利用するケース

フラット35では、団信を外して契約をすることもできるため、団信に加入するかどうかも含め、加入している保険の見直しを早めに行いましょう。もしもの時には、住宅ローンの残債分と、遺族に残すべき分を合わせた死亡保障がカバーできるようにしたいもの。収入保障保険に加入して団信を付けるか、収入保障保険1本で必要な保障をカバーするか、どちらが有利になるかを試算して比較することをお勧めします。

フラット35は夫婦で「収入合算」も可能ですが、その場合、主債務者の死亡時は残債全額が保険金で支払われるものの、連帯債務者の死亡時には支払われません。その点がリスクとなる場合、前出のデュエットを利用するか、あるいは民間の保険で連帯債務者の死亡保障額を増やす必要があります。この場合も、団信を活用するかしないかを含め、試算して有利なものを選択しましょう。

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このように、住宅ローンを利用するタイミングは加入している保険を見直す良い機会となります。団信によって既存の生命保険が過剰にならないか、住宅購入によって新たに生まれるリスクがないかを確認し、総合的に適切な保障内容を目指しましょう。

【参考リンク】

担当:豊田 眞弓 (執筆:2021年10月20日)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。